筋肉痛や関節痛が起きたとき、あなたはどうしていますか?
マッサージや鍼灸のような治療に行く人もいらっしゃいますね。
しかしこれらは“受け身”の治療であり、筋肉を自ら活動させる動作は生じていません。
近年の医学的解明により、関節の痛みや歩行障害に対する治療として、姿勢改善や身体バランス能力の向上のための筋力トレーニングが優れた効果を発揮することが分かってきています。
歳を重ねると、筋力や運動能力の低下は避けられません。
しかし、筋肉を維持し、能動的に用いて鍛える習慣ができれば、本当の意味で若返りが期待できるといっても過言ではないかもしれません。
筋肉とは?
筋肉は、立ったり歩いたり、姿勢を維持するといった日常動作の基盤となるものです。よろけることが多くなった、歩く速度が遅くなった、など感じることがあるならば、知らず知らずのうちに筋肉の働きが衰えているのかもしれません。
全身の筋肉は約200種類、650個ほどあり、男性は平均体重の約45%、女性は約36%を占めています。
手すりなしでは階段を上れなくなった、杖を使わないと不安だ、またはこれらが心配で外出するとこが少なくなった、などQOL(Quality Of Life=生活の質)の低下に強い影響を与えている要因の一つに、筋肉の衰えが考えられます。筋肉は、使わなけれは加齢とともに衰えていきますが、原料である良質なタンパク質の摂取や適度な運動により、筋肉の衰えを遅らせることができます。
筋肉は何でできている?
筋肉の主な成分はタンパク質です。
食事で摂ったタンパク質は体内でアミノ酸に分解され吸収されます。このアミノ酸が筋肉を作る材料になります。筋肉中のタンパク質は絶えず分解されているため、食事から毎日補給する必要があります。
(タンパク質80%、脂質15%、糖質1.5%、灰分・その他3.5%)
筋肉の作られ方
筋肉の細胞である筋繊維は、筋力トレーニングなどで負荷をかけると微細な損傷が起こり、その後修復して傷つく前よりも太く強くなるという特徴を持っています(筋肉の超回復)。
修復には薬48~72時間かかると言われ、脳の下垂体から成長ホルモンが分泌され、タンパク質や脂質、ミネラル、ビタミンなどさまざまな栄養素が関わって筋繊維が作られます。効率よく筋肉が作られるためには、運動とタンパク質を中心としたバランスのとれた栄養補給、そして十分な休息が必要です。
筋肉が減る原因
筋肉を使わないでいると、筋繊維が細くなって筋肉が痩せ、1日に3~5%ずつ筋力が低下すると言われています。これを筋委縮といい、運動不足の他にも栄養状態の悪化や神経の麻痺、関節の拘縮などによっても引き起こされます。加えて高齢者の場合には、加齢に伴い筋繊維の数自体が減ってしまうため、さらに筋力低下が進んでしまいます。
また、運動のエネルギー源である炭水化物(糖質)を摂らずにトレーニングすると、筋肉の中にあるタンパク質をエネルギー源として消費してしまうため、筋肉の分解が進み筋力低下の原因になることもあるので注意が必要です。
闇雲に糖質カットはいけません。タンパク質中心の食事の中でも、ビタミンミネラルをしっかりと、糖質も必要最低限は摂るようにしましょう!