筋肉についての前回記事はコチラ☞筋肉と健康①筋肉ってなんだろう?
筋肉はその構造や働きの違いによって、骨格筋、心筋、平滑筋の3種類に分けられます。
それぞれの筋肉は、細い糸のような形をしているため「筋繊維」と呼ばれ、何本も集まって束になっています。
骨格筋(身体を動かす筋肉)
・運動神経支配(自分の意志で動かすことができる)
・骨格に沿って付いている
・素早く動かせるが、疲れやすい
・速筋*と遅筋*の2種類の筋繊維でできている
*速筋…白っぽいため白筋とも呼ばれる。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができるが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまう。老化が早く、20歳前後から衰え始めるといわれる。
*遅筋…赤みがかった色から赤筋とも呼ばれる。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできないが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができる。また、歳を重ねても衰えにくい。
心筋(心臓を動かす筋肉)
・自律神経支配(自分の意志で動かすことができない)
・規則正しく動く
・疲れにくい
平滑筋(胃腸や血管を動かす筋肉)
・自律神経支配(自分の意志で動かすことができない)
・ゆったりと持続的に動く
・疲れにくい
筋肉の役割
心臓を動かす心筋、内臓や血管を動かす平滑筋と並んで、全身の骨格に沿って付着している骨格筋も、生命の維持に必要なたくさんの役割を担っています。
骨格筋には主に、以下の役割があります。
関節を動かす・固定する
筋肉が伸びたり縮んだりすることで、関節の曲げ伸ばしや固定が可能になり、身体を動かしたり姿勢を保ったりできるようになります。
呼吸
肺には筋肉がなく、自分で動くことはできません。呼吸をするときは、横隔膜や肋間筋といった肺を取り囲む筋肉が収縮・弛緩することで、肺を膨らませたりしぼませたりしています。
排尿・排便
口から入った飲食物は、消化器官を構成している平滑筋の働き(ぜん動運動)によって運ばれ、最終的に肛門や尿道を通って排泄されます。このとき、肛門や尿の出口を引き締める働きをする骨盤底筋の収縮によって、排尿や排便を我慢することが出来ます。また、排泄の際には腹直筋や横隔膜により腹圧を上げてこれを補助しています。
熱産生・体温調節
全身の筋肉が動くことで、エネルギーを使って熱を生み出しています。また、運動で発生した熱を体外へ放出したり、寒い時は全身を震わせて熱を生み出し、筋肉を収縮させて発生した熱を体内に閉じ込めたりすることで体温を調整しています。
血液やリンパ液の循環を助ける
筋肉が収縮すると筋内部の圧力が高まって血液やリンパ液が絞り出され、弛緩すると筋肉のなかに流れ込むという仕組みになっています。つまり、筋肉はポンプのように働いて体内の血液やリンパ液の循環を助けているのです。
糖質の貯蔵
食事から摂った糖質の一部はグリコーゲンという形で肝臓と筋肉に貯蔵されます。肝臓で500kcal、筋肉には1,500kcal程度蓄えられているといわれています。そして、エネルギーが必要になると分解され、グルコースとなって利用されます。
身体の保護
筋肉は外からの衝撃を吸収し、骨や内臓を守るクッションのような役割も担っています。特に関節の周りにはバランスよく筋肉を付けておくことが必要で、筋肉が少ないと少しの運動でも関節を痛める危険性が高くなってしまいます。
このように、生きていくうえで必須な働きの多くを筋肉が担っています。
息切れしやすくなった、尿漏れすることがある、冷え、むくみやすい、関節が痛い…など、筋力の衰えも原因のひとつであることは間違いありません。
次回は、さまざまなお悩みと筋肉の関係についてお伝えしたいと思います!